なんか12月は調子に乗ってTSUTAYAの店舗で50円で借りた旧作を大量に観たので、まだまだ感想が残ってます。相変わらず雑多…
「ウォール・ストリート」
公開年:2010年
監督:オリバー・ストーン
出演:シャイア・ラブーフ、マイケル・ダグラス勤務先の投資銀行が破綻し慕っていた経営者が自殺するという悲劇に直面した若き金融マン、ジェイコブ(シャイア・ラブーフ)は、伝説の投資家であるゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)に接近するが… アメリカの金融界を描いて伝説となった1987年の「ウォール街(Wall Street)」の続編。タイトルがややこしいが、こちらの原題は「Wall Street:Money Never Sleeps」となっている。
普通、続編を作るとしたら、前作の主人公バド・フォックス(チャーリー・シーン)のその後を描くところだが、この映画は、前作のアンチヒーローであったゴードン・ゲッコー(マイケル・ダグラス)と彼に近付く若い野心家の視点からストーリーが展開する。
「Zガンダム」がアムロのその後を描くのではなくて、(アンチヒーローだった)シャアとカミーユの話になったようなものか。
ちなみにアムロ(バド・フォックス)も「Zガンダム」程度には出て来る。
そのバト・フォックスとゴードン・ゲッコーの再会シーンのマイケル・ダクラスの懐かしそうな顔の演技が、味があってとても良かった。しかし、前作では「金よりも大事な物がある」と言ってた「ブルースター航空」を「売却しちゃった。儲かったよ」とこだわりなく話すバド・フォックスはどうかと思うが。
「金こそ全て」だったゴードン・ゲッコーが最後に人間味を見せる事で、前作以来のテーマに結末がつく。
吹き替え版でのゴードン・ゲッコー役の津嘉山正種さんの声が渋くて良かった。
「海でのはなし。」
公開年:2006年
監督:大宮エリー
出演:宮崎あおい、西島秀俊スピッツの音楽をモチーフに、不器用で心優しい男と女の淡く切ない恋を描く お互いに問題を抱えた男女(宮崎あおいと西島秀俊)の触れ合いを、スピッツの音楽と共に描く。
2人の家族に関する説明的な場面はあるが、それ以外に特になにも起きずに淡々と進む。
「映画」と言うより「長編プロモーションビデオ」的な実験作。監督は、CMプランナー、コピーライター出身のクリエイターらしい。
こう言う映画も「あり」とは思うが、この映画に関しては「なし」。せっかく味がある曲と雰囲気がある主演の二人がもったいない感じ。
曲とシーンが合ってない場面が多すぎてちぐはぐな印象を受ける。もっと、曲の内容通りのベタな場面設定なら良かったのに。
「好きだ、」←一部の方にお薦め
公開年:2005年
監督:石川寛
出演:宮崎あおい、西島秀俊、永作博美、瑛太ひと組の男女の17年にわたる愛の軌跡 前に感想を書いたが「tokyo.sora」という映画があって、基本的に単館上演だったので話題になる事も少なかったが、妙に気になっていてDVDが出た時に借りて観た。
本上まなみに井川遥をはじめとする東京で暮らす6人の女性の群像劇だが、演技らしい演技がほとんどなくて、出演者がぼそぼそと喋るだけでストーリーが進んでいく映画だった。実際に、シチュエーションだけ設定して、セリフはほとんどアドリブで撮っていたらしい。
事件はそれなりに起こるものの、あまりにナチュラルな演技で、非常に不思議な映画で、誰にでも勧められないが、個人的には気になる映画だった。
その、石川寛監督が撮った2本目の映画がこれ。(現在まで、映画はこの2本だけ)
高校生時代の宮崎あおいと瑛太、それと宮崎あおいの姉の三角関係を、抑えたトーンの映像と「tokyo.sora」と同じく、ぼそぼそと喋る長回しのセリフで描いている。
姉の交通事故をきっかけとして、2人が別れて17年が経過し、宮崎あおいは永作博美に、瑛太は西島秀俊に成長する。
最初、このキャスティングを見た時に「無理があるだろ」と思ったが、映画を観たら不思議と違和感がなかった。まあ、どっちも超童顔だし。
結局、姉の事故以外の事件はなにも起こらず、西島秀俊が永作博美に「好きだ」と言って、17年間の回り道が終わりエンドロールが出てくる。
17年かけて2人の仲は、キスはおろか手を繋ぐどころか「好きだ」の言葉が到達点だったのである。
前作と同じく誰にでも勧められないが、もの凄く時間があって、疲れていて、純粋な恋愛物が観たい方は、騙されたと思って観て下さい。
私は、結局2回観てしまった。
「ボックス!」
公開年:2010年
監督:李闘士男
出演:市原隼人、高良健吾、谷村美月高校のアマチュア・ボクシングを舞台に、対照的な2人の幼なじみが、ボクシングを通して栄光と挫折を味わいながら成長していく姿を描く 亀田兄弟か辰吉みたいな市原隼人は、やんちゃで才能のあるボクサー役にピッタリ。
優等生で努力家の高良健吾との対比が面白かったが、物語中盤で2人の対戦が実現してしまい、その後は、ちょっと中途半端な構成だった。
ライバル校の強豪選手との戦いを乗り越えて、2人が戦う試合をラストに持って行った方が良かったのでは?
谷村美月は、ボクシング好きでしっかりした女子高生を好演していたが、途中で突然死んでしまう。
全体の構成は今ひとつだったが、ボクシングのシーンなんかは迫力があった。
「シャーロック・ホームズ」
公開年:2009年
監督:ガイ・リッチー
出演:ロバート・ダウニー・Jr、ジュード・ロウホームズの活躍で、ロンドンをさせていた連続殺人事件がみごと解決した。犯人ブラックウッド卿は死刑に処せられたはずであったが… 何度も映像化されてきたシャーロック・ホームズの映画。(私は、NHKでやっていた露口茂が声を当てていたTVシリーズが印象に残っている)
知的な推理で事件を解決していくのがホームズのイメージだが、この映画では、アクションシーンが多い。
ホームズがロバート・ダウニー・Jrで吹き替えが藤原啓治なので、「アイアンマン」を観ているような気になる。
ホームズならではの謎解きもありつつ、テンポ良くストーリーが進む。
ホームズ映画としては違和感もあるが、19世紀のロンドンの雰囲気も良く出てるし、探偵アクション物としては面白かった。
ホームズの宿敵のモリアーティ教授が声だけで出演していたり、明らかに続編を考えていたようだが、実際に2012年にパート2が製作される事が決まったらしい。
「奥さまは魔女」←おすすめ
公開年:2005年
監督:ノーラ・エフロン
出演:ニコール・キッドマン、ウィル・フェレル、シャーリー・マクレーン、マイケル・ケイン元ビッグスターで現在は落ちぶれ気味の俳優ジャック(ウィル・フェレル)に、TVドラマ「奥さまは魔女」のリメイク版のダーリン役としての出演依頼がくる。ジャックは主役である魔女「サマンサ」よりも自分を目立たせようと、素人のイザベル(ニコール・キッドマン)をサマンサ役として抜擢する。
しかし、イザベルは普通の恋に憧れ人間界にやってきた本物の魔女であった。 人気TVシリーズのリメイクは珍しくないが、この映画の場合「リメイクの製作」を描いた映画である。しかも、サマンサ役に抜擢されたのは、本物の魔女。
ひねりが効いてなかなか面白い設定だが、ストーリーの方は、定番のラブストーリーで、役柄ではなく本当にジャックに恋したイザベルが、真実を明かした事で一度破局した恋が最後には…と、全体にベタな流れ。
でも、主演のニコール・キッドマンが演じる天然系の魔女はチャーミングだった。
問題は、主人公が恋するジャックが、あまり魅力的に見えない事か。
ジャックの昔の恋人が出て来て、邪魔だと思ったイザベラが魔法でTVセットの照明を落としたら、恋人が大けがしてしまい、「あら。やり過ぎちゃったわね」と時間を巻き戻してなかった事にするシーンが面白かった。
吹き替え版だとイザベラの父親の魔法使いは、TVシリーズであの印象的なナレーションを担当した中村正があの声で当てている。
「八日目の蝉」
公開年:2011年
監督:成島出
出演:井上真央、永作博美、小池栄子不倫相手の赤ちゃんを誘拐した女性(永作博美)が、4年間にわたって母と娘として過ごした逃亡生活の顛末と、誘拐犯に育てられた少女(井上真央)が成長し、やがて自らの過去と向き合う姿を描く NHKのTVシリーズでは、檀れいと北乃きいだった。
TVシリーズでは、檀れい(誘拐している時期)のパートに重点が置かれていたが、映画版では井上真央のパートが主になっている印象。
永作は、追い詰められた逃亡犯をリアルに演じていたが、檀れいに比べるとなんか同情できなくて、「ひどい犯人だなー」と思わせる。(実際に、ひどい事をしてるんだが、TVシリーズでは、犯人に同情するような演出が多かった気がする)
小池栄子が、「井上真央と同じ宗教団体の施設で育てられた男性恐怖症のライター」というとてもそう見えない役を演じている。
TVシリーズでは、最後に犯人と娘が出会うシーンが合ったが、映画版では無し。それもあって、なんか「なにがテーマなのか?」がわかりにくい映画だった。
「初恋」
公開年:2006年
監督:塙幸成
出演:宮崎あおい、小出恵介“三億円事件”をモチーフに、事件の裏に隠された真相と実行犯となった18歳の女子高校生の切ない初恋の物語を描く 恵まれない少女時代を過ごした宮崎あおいが、60年代の学生運動の活動家と出会い、その活動の手助けに「三億円強奪事件」の実行犯となることを決意する。
ひたすら男性のために尽くそうとする宮崎あおいの抑制された演技は良かったが、そもそも、どうして惹かれるようになったのかが良くわからないだけに、今イチ感情移入できない。
60年代の町並みや風俗は(多分)低予算の映画としては頑張っていた。
結局は三億円強奪は、史実の通り成功するが、そこで終わってしまい話のオチがない。
「県庁の星」
公開年:2006年
監督:西谷弘
出演:織田裕二、柴咲コウ、佐々木蔵之介、紺野まひる県庁のキャリア公務員、野村聡(織田裕二)は極端な上昇志向の持ち主。彼は、民間企業との人事交流研修のメンバーに選出されるが、派遣されたのは田舎の三流スーパー。しかも、野村の教育係となった二宮あき(柴咲コウ)は自分より年下のパート店員だった… エリート公務員が零細民間企業に出向し、理想通り行かない現実に目覚める。
「公務員はダメだ」と言ってるだけじゃなくて、公務員の嫌な所といい所を公平に描いているとは思う。
柴咲コウが、現場のたたき上げでしっかりした民間企業のパート(職場のキーマン)を演じている。適役。
「自虐の人」
公開年:2007年
監督:堤幸彦
出演:中谷美紀、阿部寛、遠藤憲一、カルーセル麻紀ひなびたアパートに暮らす元ヤクザのイサオと内縁の妻、幸江。イサオは仕事もせずに酒とギャンブルに明け暮れ、すぐにちゃぶ台をひっくり返す乱暴者。それでも幸江はイサオと一緒にいるだけで幸せだと感じていた 超高速カメラを使ったちゃぶ台返しの映像をこだわって撮った映画。
阿部寛の演じる旦那は、業田良家の原作そっくり。
中谷美紀演じる主人公は、けなげで献身的で「なんでこんなヒモみたいな男に尽くすのかな−」と思わせるが、後半で幸せを掴みそうになるものの事故に遭ってしまい意識不明になる。
ここから、30分ほど回想シーンに入って、学生時代の中谷美紀(演じているのは別の娘)とアジャ・コング(同じく別の娘)の友情物語が延々と続く。
結局、中谷美紀は目覚めてハッピーエンドになるが、もうちょっと山場があった方が良かったと思う。
「劔岳 点の記」←おすすめ
公開年:2008年
監督:木村大作
出演:浅野忠信、香川照之、宮崎あおい、松田龍平、仲村トオル、小市慢太郎明治39年、陸軍参謀本部陸地測量部の測量手、柴崎芳太郎は、国防のため日本地図の完成を急ぐ陸軍から、前人未踏の山である劔岳の初登頂と測量の命令を受ける。そんな彼らの前に日本山岳会という強力なライバルが出現する 日本映画界を代表する名カメラマン木村大作の初監督作品。「八甲田山」なんかも撮っているらしい。
山岳映画としては、非常に真面目な映画だが、史実に基づいているからドラマチックさには欠ける。
どのくらいリアルとか言うと、剱岳の頂上前で「ここが最後の難関だ」とメンバーが意気込む場面の次のシーンでは既に登頂に成功している。どうやらあまりに大変すぎて、最後の登頂シーンは撮影できなかったらしい。
ベテランのシェルパ(案内人)を演じた香川照之を別にすれば、主演の浅野忠信にしても小栗旬にしても、非常に押さえた演技でリアルさを増している。(噂では、登山が大変で装備を減らすために台本さえ持って行ってなかったとか)
唯一、宮崎あおいが出てくる浅野忠信との夫婦団欒のシーンだけがラブラブで、全然トーンが違う。(どこかの評論で読んだが「老人のあおい萌え!」)
宮崎あおいの「好きなくせに〜」のセリフはなんかエロかった。
基本的には悪人は一人も出てこない映画だが、この場合の「敵」は大自然だったのかも。
映画的には、「任務のため」仕事として慎重に歩を進める主人公のグループが成功して、「名声のため」に趣味として登山している山岳会は功名を急いでしまい遭難してしまうのがメリハリがあって良かったと思うが、実際にはどちらも成功する。山岳会が、測量部隊に健闘を讃える旗信号を送るシーンは良かった。
撮影の苦労や、「日本にこんな秘境があったのか!」と言う雄大な自然の映像なんかを含めて、文句なしの力作。
こんな映画は、大スクリーンで観たかった。